2026/01/29

皆様、こんにちは。新潟市西区のいとう歯科診療室です。
近年、テレビや雑誌でも「歯の健康と全身疾患の関わり」が注目されるようになりました。
その中でも特に、多くの方が関心を持たれているのが「認知症」との関係です。
今回は、日本における疫学研究の金字塔といわれる「久山町研究」のデータをベースにしたシステマティックレビュー(多くの研究を統合した信頼性の高い分析)をもとに、歯周病専門医として私たちができることについてお話しします。
久山町研究が示した「歯の数」と「認知症」の衝撃的な関係
福岡県久山町で長年行われているこの研究では、興味深いデータが示されています。
- 残っている歯が少ないほど、認知症のリスクが高まる
- 歯がほとんどなく、入れ歯も使用していない人は、20本以上歯がある人に比べて認知症の発症リスクが最大で約3倍になる
なぜ、口の中の健康が「脳」にまで影響を及ぼすのでしょうか?
脳を守るための2つのキーワード:「噛む刺激」と「慢性炎症」
- 「噛む」ことが脳を活性化する しっかりと自分の歯で噛むことで、脳の血流が促進され、記憶を司る「海馬」や、思考を司る「前頭葉」に刺激が送られます。
歯を失い、噛む刺激が減ることは、脳への刺激を失うことと同義なのです。 - 歯周病菌が脳に悪影響を与える 近年の研究では、歯周病の原因菌や、それによって引き起こされる「炎症物質(サイトカイン)」が血液を通じて脳に運ばれ、アルツハイマー型認知症の原因物質とされる「アミロイドβ」の蓄積を促進する可能性が指摘されています。
歯周病専門医だからこそできること
「歯を失ってから」ではなく、「歯を失わないための高度な管理」こそが、認知症予防の第一歩です。
歯周病専門医のいる当院では、以下のステップを通じて皆様の「脳の健康」をサポートします。
- 精密な歯周組織の検査
レントゲンや歯周ポケット検査を行い、目に見えない部分の炎症を徹底的にチェックします。
- 専門的な細菌コントロール(バイオフィルムの除去)
ご自身では落とせない深いポケット内の細菌を徹底的に除去し、全身への炎症の波及を食い止めます。
- 欠損への適切な対応(インプラント・入れ歯)
もしすでに歯を失ってしまっている場合でも、インプラントや適合の良い入れ歯によって「噛む力」を取り戻すことは、脳の老化を遅らせる大きな力になります。
「一生、自分の足で歩き、自分の脳で考える」ために
認知症は、発症してから治療するのが難しい病気です。
だからこそ、今ある歯を守る「予防」と、今起きている歯周病を止める「治療」が、将来のあなた自身を助けることになります。
「最近、しっかり噛めていないな」「歯ぐきから血が出るけれど、痛くないから大丈夫かな」 そんなサインを見逃さないでください。
歯周病専門医として、皆様が一生おいしく食事を楽しみ、自分らしく生き生きと過ごせるよう全力でサポートさせていただきます。
【エビデンスのまとめ:科学が証明する歯と脳のつながり】
今回の内容は、日本を代表する医学研究である「久山町(ひさやままち)研究」などの信頼性の高いデータに基づいています。
- 歯の数と認知症のリスク
1,000人以上を長期間追跡した調査により、歯がほとんどなく入れ歯も使っていない人は、歯が20本以上ある人に比べて、認知症(特にアルツハイマー型)の発症リスクが大幅に高まることが示されています。
- 「噛む」ことが脳を守る
多くの研究をまとめた分析(システマティックレビュー)では、自分の歯でしっかり噛む刺激が、脳の記憶を司る部分(海馬など)の活性化に深く関わっていることが分かっています。
- 歯周病菌の影響
近年の医学研究では、歯周病によるお口の中の「炎症」が、血液を通じて脳に悪影響を及ぼす物質を増やす可能性が強く指摘されています。つまり、「歯周病を専門的に管理し、噛む機能を維持すること」は、単にお口の問題だけでなく、将来の脳の健康を守るための、科学的根拠のある有効な手段と言えます。
つまり、「歯周病を専門的に管理し、噛む機能を維持すること」は、単にお口の問題だけでなく、将来の脳の健康を守るための、科学的根拠のある有効な手段と言えます。
いとう歯科診療室
- Web: https://www.ito-dental-office.jp
- アクセス: 内野西が丘駅から徒歩5分
- 診療内容: 歯周病専門治療、精密予防、インプラント、再生療法