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院長コラム | いとう歯科診療室

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歯学部3年次編入について

2025/09/15

新潟市西区 歯周病専門医 いとう歯科診療室のホームページをご覧頂きありがとうございます。

今日は「歯学部3年次編入について」です。 歯学部3年次編入を考えている人に向けた記事になるので、かなり少数に向けた記事になりますね。しかも、伝えたいことがたくさんあるので、かなり長文です。

私はこの3年次編入制度を使って新潟大学歯学部に編入しました。

東京の某国立大学農学部を卒業し、大学院へ進学、修士課程を修了し、一部上場企業へ就職しました。 時は就職氷河期真っ只中。文系私立大学を卒業した友人は100社受けていました。
それでもなかなか内定がもらえない、そんな時代です。今では考えられないかもしれません。

実際、就職活動で精神的に追い詰められる学生も多数いました。

就職活動って、獲得点数で合否が判定される試験とは違い、何が原因で内定がもらえないのかわからないので、ストレスがたまっていきます。
理系も就職活動は大変でしたが、文系はさらに苦労していたのを経験しているので、
理系と文系に迷ったら、やはり理系が良いと思います。

今は人手不足だからそれほど変わらないのかもしれないけど。

それでも私が入社した会社の倍率はエントリーシートから計算すると、500倍だったと入社後、人事課から聞きました。
当時、両親もことさら喜び、これで息子の将来も安心、ホッとしたのも束の間、突然、歯学部に編入すると言い出したので、両親、兄から猛反対に遭いました。

なぜ、大企業を辞めて、歯学部に編入したいと思ったか、詳しくは触れませんが、優秀な同期たちに囲まれ、何十年も会社で働くイメージができなかった、ということでしょうか。
今となっては少し判断が性急だったかなと思います。
私の入社した会社は本当に良い会社でした。

さて、なぜ両親、親族が猛反対したのでしょう? 大企業とはいえサラリーマンと歯医者、どっちが職業として良いのでしょうか? 職業としてどっちが良いか、それは自分次第なので、答えはでないでしょう。

今から20年前、その当時から歯科医師はワーキングプア、歯科医師余剰、淘汰の時代、と世間では言われていました。
なので、両親や親族は私の将来を危ぶみ、安定した会社員からの転身に反対したのだと思います。

でも、当時の私は「自分はやっていける!必ず成功できる!」と盲信しておりました。

歯科医療がどのようなシステムのうえに成り立っているのか? 国民皆保険とは? 他の先進国との違いとは?など、もちろん知らずに・・・。

今、会社員に漠然と不安を感じている方、勤めている会社や境遇に満足できず、手に職を付けて、歯科医院という一国一城の主になって、思い通りに働いてみたい、歯学部に編入したい、と思っている方に、少しでも参考になればと思います。

では早速、歯学部3年次編入について、私見ではありますが、思っていることを列挙していきます。

・年齢の問題、編入時に30歳がギリギリ、できれば20代。

歯科医師の仕事は非常に細かい作業で、体力も気力も使う職業です。特に目が見えなくなります(老眼で)。
今はルーペとか顕微鏡とかもありますが、スキルアップ、体力の衰えなどを考慮すると、できるだけ若いうちに歯科医師になった方が良いということです。
あと、歯学部は他の学部に比べると単位取得がシビアなので、脳が若くないと大学卒業、国家試験で苦労します。
40代後半で編入してきて、歯科医師になる以前の学部の単位取得、国家試験で非常に苦労する方をみてきました。
これらの試験をパスしていかないと、歯科医師として舞台に立つことすらできません。

・歯科医師になってやりたいことが明確であるか
なんとなく歯科医師になったら成功するだろう、みたいな感じだと後悔します。
何をもって成功と判断するのか、難しいですが、優秀な歯科医師としてまっとうな仕事をしていくには、自分の将来像をイメージできる明確な意思、よいメンター(指導医)、良い環境(じっくり診療、勉強できる環境)が大事です。 それは自分の情熱がそういう環境を引き寄せます。
なんとなく過ごしていると、保険診療で安い、悪い、早い診療ばかり身につき、心身ともに疲弊します。

例えば、矯正医になる!とか歯周病専門医になって自費で治療する!とかエンド専門医になる!とか明確な目標を早く定めた方がいいですね、周囲の学生より年をとってるので、最短で目標にたどり着けるような努力が必要だと思います。

・日本の医療制度を知るべし

これは別の回で詳しく述べたいと思っていますが、日本の診療報酬は、海外の先進諸国と比べると絶望的に低いのです。
日本の保険制度に属さず、自費診療で高度な医療を提供するという目標がすでにあるのであれば、関係ありませんが、それはそれで非常にスキルが求められる道です。
ほとんどの歯科医師が日本の保険制度に属した保険医です。
どんなに丁寧に診療しても報酬は変わりません、患者さんが納得するまで丁寧に説明しても、それは診療報酬として認められません。
今、若い医師が修行の期間を設けずに、美容外科に走ってしまう。いわゆる「直美」が問題になっていますが、これは医師の問題ではなく、構造の問題だと思っています。
低廉な診療報酬で、朝から晩まで病院で働き、宿直もある。 今までは矜持とかやりがいでなんとか保っていたものが、崩壊しつつあるのだと思います。
日本は特にエッセンシャルワーカーに対する「やりがい搾取」が顕著な国だと思います。

1つだけ例を挙げましょう。日本では臼歯の普通抜歯に対する技術料は2,700円ですが、米国では40,000円です。 どうですか? 米国の歯科医師が日本の診療報酬を聞くと、腰を抜かします。
もっと色々調べてみると面白いと思いますよ。

つまり、日本の保険制度は統制経済で自由経済ではありません。自分で値段設定ができず、国の統制下にあります。 この統制下の元、国民はどこでも、安価で治療を受けることができます。 それは患者さんにとって、この制度の最大のメリットです。
この先進国では良い意味でも、悪い意味でも稀にみる保険制度の下、どうやって生き抜いていくかは、 医療人として非常に難しい問題です。

今の医療現場をみると、インフレ、働き方改革が進むなか、保険制度の悪い面が際立ってきて、医科では病院経営の赤字化、看護師の離職、医師の偏在、直美問題などが、歯科では歯科技工士の絶望的な減少、歯科衛生士の離職率増加、歯科材料店の減少などが生じているのだと思います。

・実家が資産家か?
歯科医師はそのほとんどが開業します。もし、歯学部に編入して大学に残って教授を目指したい、とか研究者になりたいと思っている方には関係の無い話です。それはそれで良い道だと思います。
しかし、あなたが編入して歯科医師として独立したいと思っているのであれば、経済状況というのは無視できません。

ざっくりですが、テナント開業では5,000万円ほど、戸建て開業だと1億円ほどかかります。 ですから、たとえば親が土地やビルを持っていて、開業地はすでにあるとか、今盛業である親の医院を引き継ぐ、とか親が資産家で開業時には数千万の資金援助が得られる予定とかあるのであれば、あなたの編入後の道は明るいかもしれません。

開業のコストを下げるために、居抜き開業とかもありますが、これはこれで気をつける点が多数あります。特に開業地の選定などには気をつけて、失敗しないようにしなければなりません。

・最後に
歯科医師に転身する際は、あれだけ猛反対だった両親、親族は今では心から応援してくれています。
それは365日の食事、話すこと、審美にとても重要な役割を果たす歯科医師という職業をとても大事な仕事だと実感してくれているからです。
今では「歯科医師という仕事は、健康のインフラの一つで、とでも大事な仕事だ。」と言ってくれます。

歯科医師に転身したいとカミングアウトしてから20年、両親も兄も少なからず歯のことで歯科医師の世話になり、 その重要性を実感したのでしょう。

歯科医師は大変で、そして重要な仕事だと思います。歯科医師になりたいという純粋な思いを持った方が、まだ書ききれないけど、歯科医療の実情を理解した上で、それでも飛び込んでくることを願っています。

歯周病と糖尿病 ー歯周病治療で、たった0.4%の奇跡ー

2025/09/08



「歯周病治療で、たった0.4%の奇跡」


みなさん、こんにちは。新潟市西区いとう歯科診療室です。
当院には、歯周病専門医と歯周病認定歯科衛生士が在籍しており、日々多くの患者さまの歯ぐきの健康を守っています。

さて、健康診断で「血糖値が高め」と言われたことはありませんか?
特に中高年の方から、このようなご相談をいただくことが増えています。

「症状はないから大丈夫」と思ってしまいがちですが、それは 境界型糖尿病(糖尿病予備軍) のサインかもしれません。放っておくと、本格的な糖尿病に進んでしまう危険があるのです。

 

インスリンと歯周病の深い関係

血糖値のコントロールに欠かせないのが「インスリン」というホルモンです。
インスリンは、食事でとったブドウ糖を体の細胞に届ける「鍵」のような役割をしています。

ところが、歯周病による炎症はこのインスリンの働きを邪魔してしまいます。
さらに喫煙習慣がある方では、歯ぐきの血流が悪くなり、歯周病が進みやすい状態になります。つまり、歯周病を放置することは血糖値を上げてしまう原因のひとつになるのです。

 

歯周病治療で血糖値が改善する?

アメリカ糖尿病学会の研究によると、歯周病治療を行うことで HbA1c(血糖値の指標)が平均0.4%改善 することが報告されています。

0.4%なんて小さな数字」と思われるかもしれません。
しかし、この差は「糖尿病になるかどうか」の分かれ目になる、大きな意味を持つ数字です。

薬に頼らずに血糖値を下げられる方法のひとつとして、歯周病治療はとても価値があるのです。

 

専門チームがサポートします

いとう歯科診療室では、歯周病専門医と認定歯科衛生士 が連携し、科学的根拠に基づいた治療とケアを行っています。
「タバコはなかなかやめられない」という方でも、まずは歯ぐきの炎症を取り除くことから始められます。

歯周病治療は、歯を守るだけでなく、全身の健康につながる治療です。
中高年の皆さまが「これからも元気に暮らすための投資」として、ぜひ一度チェックを受けてみてください。

 

まとめ

・歯周病の炎症は血糖値を悪化させる原因になる
・歯周病治療でHbA1c 0.4%改善 することがある
・専門医・認定歯科衛生士によるケアは、将来の健康に直結する

いとう歯科診療室は、地域のみなさまの 「歯と全身の健康」 を守るために、いつでもお手伝いします。


>>歯周病治療についての詳細はこちら

参考文献
American Diabetes Association (ADA). Standards of Medical Care in Diabetes—2019.
Diabetes Care 2019;42(Suppl. 1):S1–S193.

Basic Course2025への参加 世界基準の根管治療を目指して④

2025/08/29


このコースもはや4回目、1/3が終了したことになります。

今回は「細菌の減少と拡大号数、歯根破折を防止するような根管形成方法は?最良の根管充填方法とは何か」の講義を受けてきました。

 

アメリカのすごいところは、様々な治療方法を基礎、臨床研究から良い方法を検討して、採択し、大学にてしっかり教育するところでしょう。

日本では根管治療の講義はどうなっているのだろう。私がいた頃と変わらない内容だとしたら、かなり遅れていることになる。

 

従来の方法で根管治療を行うと失活歯のトラブルの代名詞、「歯根破折:歯の根が折れてしまうこと」が生じやすいが、現在、学んでいる米国式根管治療を行えば歯根破折は防ぐことができる。

皆さんにはわかりやすく「神経と血管を除去した失活歯は脆くなるので、歯根破折が生じやすい」と説明していますが、マニアックに説明すると、その神経と血管を除去する方法によって歯根破折が生じやすいか否かが決まるということです。

 

細菌を除去でき、あまり大きく根管を削らない号数はいくつなのか、手間がかからず、緊密に根管を充填する方法はどのような方法なのか。

 

講義を受けて明確になりました。

 

日本では一番の不採算部門である根管治療。最新の方法を学ぼうとする熱意を持った先生方の中で勉強していくことは自分のモチベーションにもなります。

 

また来月、講義ととんこつラーメンを楽しみに、日々精進。

いとう歯科診療室のOHI:専門性に裏付けられた5つの支援

いとう歯科診療室のOHI:専門性に裏付けられた5つの支援

2025/08/25

当院では、日本歯周病学会 認定歯科衛生士が中心となって、以下の5ステップに基づいたOHIを実施しています。

ちなみにOHIとはOral Health Instructionの略で、歯科衛生士が行う口腔衛生指導全般を意味します。

  1. リスク評価の可視化
     プラークコントロール指標・BOPなどの数値化
  2. 行動の振り返り
     食習慣・睡眠・清掃習慣のヒアリングと整理
  3. 課題の共有
     患者さんと一緒に優先順位と行動目標を設定
  4. 個別指導の実施(TBI含む)
     清掃技術とリスク対策の実践支援
  5. 再評価と行動支援
     改善の定着と継続支援(中長期の評価も含む)

私たちは「できていないことを指摘する」のではなく、
「できることを一緒に見つけて育てていく」スタンスでサポートします。

 

■ OHI未来の歯周組織を守る 

OHIは、歯周病の予防・再発防止において、最も科学的かつ現実的なアプローチです。

TBIは「今日の磨き方」を変える支援。
OHI
は「明日の歯を守る」ためのトータルサポートです。

歯周病の初期は自覚症状に乏しいため、生活の中にリスク管理を組み込む視点が重要です。

 

歯周病専門医と認定衛生士が連携して支える

いとう歯科診療室では、日本歯周病学会認定 歯周病専門医と、
日本歯周病学会 認定歯科衛生士が連携し、科学的根拠に基づいたOHIを提供しています。定期検診やメインテナンスを通じて、
「通うたびに今の暮らしを見つめ直せる歯科医院」でありたいと願っています。

歯を残すためには、患者さんと医療者が同じ方向を見て支え合う共同作業が欠かせません。
生活に寄り添うOHI、いま一度見直してみませんか?

>> いとう歯科診療室

Basic course 2025への参加 世界基準の根管治療を目指して ③

2025/07/27

ホームページをご覧頂き、ありがとうございます。

6月下旬に松浦顯先生主催のBasic Course2025 第3回に参加してきました。

待ちに待った、マイクロエンド実習が福岡で行われました。

今までの講義で頭でっかちになっていることを実技で落とし込む。

抜去歯を使って、顕微鏡など設備が整っている研修施設で修行を積んできました。

 

さて、この研修施設、実は獣医さん向けの施設なのです。

獣医さんは小さい動物も扱うのでしょうから、顕微鏡を使うのが当たり前なのでしょうか?

人の治療でも顕微鏡を使うのは一部の歯科医師に限られるのに。

 

保険診療で異常に低く設定されている診療費で治療を行わないとならない医師、歯科医師、と比べ獣医さんは保険制度がない、つまり自費診療なので、最新の設備、材料で治療を行うのでしょう。

今、病院の倒産が相次いでいます、看護師の離職も問題になっています。歯科衛生士の離職率も50%を越えました。歯科技工士はもう絶滅危惧種で、今後、保険で義歯を製作する技工士は確実にいなくなります。これら、医療を取り巻く諸問題は全て、この低診療報酬にあると思います。

皆さん、日本の診療費は高いと思いますか?世界中、こんな安価で治療を受けられる国はありません。もし、日本の診療費が高いと思っているのであれば、世界の先進国がどうなっているのか知る必要があります。

「世界に冠たる日本の保険診療」とか言ってる人は頭がお花畑です。いままでは安価に、どこでも医療が受けられるという良い側面もありましたが、何十年も変わらないこの制度は、物価高騰や人件費高騰、働き方改革についていけず、国も財源がなく、時代に合わなくなっていると思います。医療を支えるコメディカルスタッフの方々がどんどん離職しています。病院の倒産のニュースも頻繁に目にするようになりました。

 

おっと、今回は日本の保険制度の話ではありませんでした。ヒートアップしてしまいます。

 

なぜ、保険制度を語らないといけないのか。

 

今回、なぜ私が米国式根管治療を学びに時間的にも経済的にも投資しているのか、ですが、それは日本の従来の根管治療から脱却し、材料も質も最高の医療を提供したいという思いからです。まともなことがしたいと願う歯科医師の純粋な思いです。ただ、この方法を日本の保険診療下ではとても行えない。

なぜなら、日本の保険制度では、ざっくりですが大臼歯の根管治療は1万円ちょいです。その3割を負担するのですから皆様のお支払いは3,000円ちょいですね。75歳以上だと1,000円ちょいでしょうか。アメリカの歯科医師が日本の診療費を聞くと安価すぎて腰を抜かします(笑)。いや、笑えない。

 

米国式根管治療で行うと、使用する器具、材料費で1万円を超えてしまいます。

つまり、施術している歯科医師、補助につくスタッフは完全にタダ働きです。

 

論文や臨床的な結果から見て、従来のハンドファイルで治療を行うより、顕微鏡を用い、ラバーダムをかけてNi-Tiロータリーファイルを用いて、根管充填にはバイオセラミック系シーラーを用いる米国式根管治療が明らかに良い方法であるのに、先進国であるはずの日本ではとても行えません。大赤字です。

 

じゃあ、明らかに劣っている従来の方法で良いのか?

 

私は根管治療に関しては米国式根管治療を導入して、西区で歯周病と根管治療では目立つ存在になりたいと思っています。

 

ここ、数年はトレーニングのため、赤字覚悟でやっていこうと思いますが、将来的には技術、高価な材料に見合う、自費診療へと切り替えていきたいと思っています。

 

さて、実習ですが、CTにてあらかじめ根管形態を確認し、形態や難易度によってやる手順を決めて取り掛かっていきますが、今までのハンドファイルとは比べられないほど、根管内は綺麗に形成され、そしてハンドファイルより早いのです。

細かい手順や技術は記載しませんが、一度、米国式根管治療を経験すると、元には戻れないと感じました。

 

そして、実習で各ステップに行う手順の重要性、必要性がよく理解できました。

 

あとは顕微鏡の扱いをトレーニングするのと、この根管治療の手順を体に染み込ませるのみですが、1年はかかるかな。

歯周病と全身の健康、そして東北大学の最新研究

2025/06/30



こんにちは。いとう歯科診療室です。

当院がある地域は、長年お住まいの高齢の方々と、新しく住まいを構える若い世代の方々が共存する場所にあります。この多様な患者層の皆様に、最適な歯科医療を提供できるよう、日々努めております。

さて、今回は東北大学大学院歯学研究科が発表した最新の学術論文をご紹介しながら、歯周病治療が全身の健康、特に糖尿病に与える影響についてお伝えします。

 

歯周病治療が、糖尿病患者の透析リスクを減らす

20251月、東北大学大学院の研究チームは、4074歳の糖尿病患者約10万人の保険診療データを解析し、歯周病治療の有無が人工透析への移行リスクに与える影響を発表しました 

・年1回以上の歯周病治療(メインテナンス)を受けた場合、透析リスクが32%減少 

・年2回以上(半年に1回)の治療を受けた場合、透析リスクが44%減少 

 

この研究は、歯科治療が全身の健康、特に糖尿病の合併症予防に効果があることを明確に示しています 

東北大学の関連リリースはこちらからご覧いただけます
 東北大学 産学連携機構イノベーション戦略推進センター

 

いとう歯科診療室は「歯周病のプロ」が揃う歯科医院です

いとう歯科診療室には、日本歯周病学会の認定資格を持つ専門医と認定歯科衛生士が在籍しており、患者さん一人ひとりの症状や状況に合わせた高度な歯周病治療を行っています。

歯周病は、単なる口の中の病気ではありません。糖尿病、心血管疾患、認知症などとも深く関係する全身疾患の一部であると考えられています 

 

糖尿病と歯周病の「双方向」な関係

高血糖は歯周病を悪化させ、歯ぐきの炎症を長引かせます。一方で、歯周病による慢性炎症は血糖コントロールを妨げ、糖尿病を悪化させることが知られています 

このような「負のループ」を断ち切るためには、医科と歯科が連携し、歯ぐきの健康から体全体を守る視点が重要になります 

 

糖尿病のある方こそ、歯周病治療を

東北大学の研究では、糖尿病患者の約半数が歯周病治療を受けていないという現状も指摘されています 

いとう歯科診療室では、定期的な歯科検診と専門的ケアを通じて、口腔内の炎症を抑え、全身の健康リスクを下げるお手伝いをしています。

当院では、患者さんお一人おひとりの環境や経済状況に合わせた治療計画をご提案し、柔軟に対応することに力を入れています。

歯周病を専門としながらも、根管治療から入れ歯まで、オールラウンドに対応できることが強みです。

 

最後に

いとう歯科診療室は、「歯ぐきの健康を守ることが、体を守ることにつながる」と考えています。

歯周病治療は、むし歯治療とは異なり、定期的なケアと専門的アプローチが不可欠です 。ご自身の健康を守るためにも、ぜひ一度ご相談ください。

当院の詳細は、いとう歯科診療室ウェブサイトをご覧ください。

Basic course 2025への参加 世界基準の根管治療を目指して ②

2025/06/25

ホームページをご覧頂き、ありがとうございます。

さて5月下旬に博多でご開業されている米国歯内療法専門医 松浦顯先生が主催する根管治療セミナー「Basic course2025」の第2回に参加してきました。

2回目のコンテンツは

・米国歯科大学院における根管形成方法

・作業長の決定方法

・拡大号数(MAF)の決定方法

・グライドパス

・石灰化根管で穿通しない場合の対応方法(メカニカルペイテンシー)

・根管充填方法

 

などについてでした。歯科医師でない方にとってはチンプンカンプンだと思います(笑)。

 

それぞれの手技には理論が裏打ちされ、なんとなく今までやっていたことが、ことごとく覆される感じ。

そして今までやってきた根管治療からだいぶ進化する予感。

 

また、使う道具や材料も細部にわたって教えて頂けるので、迷うことがありません。

500枚以上に及ぶスライドの復習も楽しみながら行っています。

 

さて、次回の6月は、いよいよ抜去歯で実習が始まります。

講義の復習に加え、米国式根管治療に必要な器材や材料を購入、実習に使う抜去歯を選別、CTを撮って分析などやることが盛りだくさん!

 

前回は何かと忙しく、博多で滞在しているのに、豚骨ラーメンを食べられなかったので、

今回は講義、懇親会終了後に、満腹をおして「一蘭」に行ってきました。

博多グルメも楽しみの一つ。

Basic course 2025への参加 世界基準の根管治療を目指して ①

2025/04/29

ホームページをご覧頂きありがとうございます。

根管治療、皆様、ご存じでしょうか?

大きなむし歯で歯の内部の歯髄(神経と血管)まで細菌感染起こしてしまった歯や、
以前、治療した歯の根の先に病変ができてしまった歯に行う処置です。

よく歯科医院で「神経とりますね~」とか「根の先に膿がたまっているので、根の治療しますね」
と言われるやつです。

この根管治療を世界基準の診療に引き上げたいと思っているのです。

「日本の根管治療は世界基準ではないのか?」
と思われるでしょうが、残念ながら日本はかなり遅れてしまっています。

先進国なのに?

そこは医療制度の違いが大きく影響していると思います。
ざっくりいうと、例えばアメリカの根管治療と日本の根管治療では
その診療費が全然違います。アメリカの約10分の1以下で治療しなくてはなりません。

ラーメンで例えると、アメリカでは2000~3000円でラーメンを提供できるので、こだわったラーメンが提供できるでしょう。
一方、日本では国から200円でラーメンを売りなさいと決められているようなものです。
200円で売るのに、出汁にこだわって、自家製麺でといわれたら、当然赤字ですね。
そもそも200円ではラーメンは提供すること自体できないかもしれない。これが日本の根管治療。

それでも、今までは何とか世界基準とまではいかなくても、ラバーダムをかけたり、努力してきたつもり。
でも、そろそろ限界。

どんどん新しい器具、新しい材料が出てくるなかで、
今のままで世界基準の根管治療を提供するのは難しいと思っています。

私は歯周病専門医なので、歯周病治療に関してはある程度、一般歯科医院よりは
経験も積んできました。
今後も歯周病治療が当院の柱であることは変わりないのですが、
根管治療も世界基準の診療技術を習得し、柱にしたいと思っています。
https://www.ito-dental-office.jp/clinic

というわけで、この4月から博多でご開業されている「まつうら歯科医院 歯内療法専門室」の
松浦顯先生が主催する根管治療のセミナー「Basic course 2025」に参加することにしました。
https://fukuoka-endodontics.com/?page_id=45
松浦先生は日本で4人しかいない、米国歯内療法学会認定の専門医です。
1年間、毎月博多に行って勉強します。
その様子を報告できたらと思っています。

そして少しずつ当院の根管治療も変化していくことになるでしょう。

むし歯と歯周病を一言で説明すると・・

2025/03/30

むし歯と歯周病は皆さんご存じのお口の中のトラブルですが、
では「どんな病気ですか?」と尋ねるとほとんどの方があやふやな認識だと思います。

一言で言うと、 むし歯は「歯が溶ける病気」、歯周病は「歯を支えている骨が溶ける病気」です。

もう少し付け加えると むし歯は「むし歯菌が出す酸で歯が溶ける病気」、
歯周病は「歯周病菌が歯ぐきの内部に感染することで歯を支えている骨が溶ける病気」

もう少し付け加えると・・・、きりがないですね。 それ以上はホームページをご覧下さい。
歯周病について

ただ、むし歯も歯周病も自然に生じるのではなく、口腔内に住んでいる細菌、 特にむし歯菌と歯周病菌が引き起こす病気だということです。 病気の原因が何かを把握することは、治療においても予防においても大事なことだと思います。