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    ― ヨーロッパ歯周病学の推奨から考えるセルフケア ―

歯周病の方に本当に必要なのは「フロス」ではなく「歯間ブラシ」です
― ヨーロッパ歯周病学の推奨から考えるセルフケア ―

2026/04/23





新潟市で歯周病専門医による治療をご希望の方へ。
歯周病のことなら、いとう歯科診療室へご相談ください。

歯周病の治療を受けている患者さんから、よくこんな質問をいただきます。
「歯と歯の間は、フロスでいいのでしょうか?」

一見すると正解のように思えるこの問いですが、歯周病の状態によって答えは変わります。

とくに、4mm以上の歯周ポケットが多く存在する方にとって、歯間部の清掃方法は治療結果を左右する重要なポイントになります。

現在、ヨーロッパ歯周病連盟(EFP)では、歯間ブラシが入るスペースがある場合、デンタルフロスではなく歯間ブラシの使用を推奨しています。

その背景には、システマティックレビューによるエビデンスがあります。
歯間ブラシはフロスに比べて技量に左右されにくく、より安定してプラーク除去効果が得られるとされています。

もちろんフロスでも除去は可能ですが、「正しく使い続けること」が難しいという現実があります。
その点、歯間ブラシは日常的に使いやすく、再現性の高いケア方法です。

「通るサイズ」ではなく「効くサイズ」を選ぶ

臨床現場では、「通しやすさ」を優先して細すぎる歯間ブラシを使っているケースが多く見られます。

しかしこれは、ブラシが通っているだけで清掃できていない状態です。

歯間ブラシは「入ること」ではなく「しっかり当たること」が重要です。

ISO規格3以上のサイズが入る歯間部には、適切なサイズを選択することが推奨されます。サイズ選びは歯科衛生士による評価が非常に重要です。


フロスが適しているケースもある

すべての歯間部に歯間ブラシが適しているわけではありません。

歯間が狭い部位では、無理に使用すると歯ぐきを傷つける可能性があります。
場合によっては、歯ぐきが歯間ブラシによって下がってしまいます。この場合はデンタルフロスが適しています。

大切なのは、部位ごとに最適な清掃方法を使い分けることです。


歯間清掃は「歯ブラシの前」に行う

ヨーロッパ歯周病学では、歯間ブラシやフロスは歯ブラシの前に使用することが推奨されています。

先に歯間部のプラークを除去することで、歯ブラシの効果が高まり、フッ化物なども行き渡りやすくなります。


歯周病治療の質は日常ケアで決まる

歯周病治療は医院での処置だけではなく、日常のセルフケアによって大きく左右されます。

正しいサイズの歯間ブラシを使い、適切な順番でケアを行うこと。
それが歯を長く守るための最も現実的な方法です。

新潟市で歯周病専門医による診断・治療をご希望の方、歯周病のことなら「いとう歯科診療室」へ。
検査からセルフケア指導まで、一人ひとりに合わせた治療を行っています。

>>当院の特徴はこちら

【新潟市西区・歯周病専門医】日本人の2人に1人が「中等度歯周病」という現実。
8020運動の裏に潜む“残存歯のジレンマ”とは?

2026/03/24




「歯を失うのは高齢者だけの問題」と思っていませんか?
実は今、日本の歯科医療現場では、ある「皮肉な現象」が起きています。

こんにちは。新潟市西区、内野西が丘駅近くの「いとう歯科診療室」です。
当院は、西区でも数少ない日本歯周病学会認定の「歯周病専門医」として、その場しのぎの処置ではなく、お口全体を一単位として捉える「根本治療」に力を入れています。

今回は、最新の統計から見えてきた日本人の歯の現状と、私たちが直面している「歯周病のジレンマ」についてお話しします。

8020運動の成功が招いた「新たなリスク」

かつて、日本の歯科界が掲げた「8020運動(80歳で20本の歯を残そう)」。
この運動は大きな成果を上げ、自分の歯で噛み続けたいという願いを持つ方々は確実に増えました。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。

歯が残るということは、それだけ「歯周病やむしばに感染するリスクのある場所」がお口の中に残り続けるということでもあるのです。

近年の歯科医学界では、これを「残存歯のジレンマ」と呼ぶことがあります。
せっかく残した大切な歯が、適切なケアなしでは歯周病の温床となり、最終的には骨を溶かしてドミノ倒しのように抜け落ちてしまう。
これが、現代の日本人が直面しているリアルな危機です。


なぜ「歯周病専門医」による検査が必要なのか

統計によれば、日本人の約8割が歯周病に罹患していると言われる一方で、本当に適切な歯周病治療を提供できている歯科医院は、全体の10%にも満たないのが現状かもしれません。

多くの歯科医院では、痛いところだけを削り、詰め物をして終わります。
しかし、歯周病治療はいわば「建物の基礎工事」です。
基礎がグラグラの地盤に、いくら高価な被せ物をしても、長く持つはずがありません。

当院では、初診の受付時に必ず「当院ではお口全体を診ます」とお伝えします。
痛みがない部分も含めて、口腔内写真、レントゲン、歯周組織検査を徹底するのは、この「基礎」の状態を科学的に把握するためです。

>>当院の特徴


あなたの歯を壊す「3つの増悪因子」

歯周病は単なる「お口の汚れ」ではなく、細菌感染症です。進行を加速させる要因は、大きく分けて3つあります。

  1. バイオフィルムの放置(細菌の攻撃)
    歯の表面にこびりついたバイオフィルムは、細菌の強固な要塞です。
    これが繁殖し放題の状態は、お口の中に毒素を撒き散らしているのと同じです。

  2. 糖尿病(全身疾患との関連)
    血糖値のコントロールが難しい方は、そうでない方に比べて歯周ポケットが深くなりやすく、重症化しやすいことがエビデンスとして確立されています。

  3. 喫煙習慣
    1日10本以上の喫煙は、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けるスピードを劇的に早めます。

私はかつて分子生物学を専攻し、研究の道を歩んでいました。
その科学的な視点から見ても、歯周病は毛細血管を通じて全身に炎症を広げる恐ろしい病気です。
だからこそ、根拠に基づいた精密な治療が欠かせません。


「患者さん」は、共に歩むパートナー

歯周病治療は、私たち歯科医師や歯科衛生士だけで完結するものではありません。
役割は医療側と患者さんで「半々」であると考えています。
私たちは、皆さんの大切な歯を守るための「パートナー」でありたいのです。

当院では、検査後に1時間ほどかけて説明の時間を設けます。
それは、病状だけでなく、患者さんのライフスタイルや価値観に合わせて治療計画を立てるためです。

「親からもらった歯を粗末にしてしまった自分への戒めに」と、自費治療を含めた徹底的なケアを決意された80代の患者さんがいらっしゃいます。
その方は今も、素晴らしい口腔内環境を維持されています。
こうした「行動変容」こそが、私たちが提供したい真の価値です。

新潟市西区の皆さんが、欧米諸国のように「予防のために歯科へ行く」のが当たり前になるように。
歯周病専門医として、妥協のない技術と情熱で、あなたの「一生モノの健康」をサポートします。


参考文献・エビデンス資料

  • 令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要(厚生労働省)
    日本の歯科保健状況を把握するための最も権威ある統計調査。
    45歳以上の約半数に4mm以上の歯周ポケットが認められる現状や、高齢者の残存歯数が増加している一方で、歯周組織に問題を抱える割合が高止まりしている実態が報告されています。

  • 歯周病患者における糖尿病患者への対応ガイドライン 2023(特定非営利活動法人 日本歯周病学会)
    糖尿病が歯周炎の発症・進行に及ぼす影響と、逆に歯周治療が血糖コントロールの改善に寄与する相互作用を科学的根拠に基づき詳述した最新の指針です。

  • 歯周治療の指針 2022(特定非営利活動法人 日本歯周病学会)

    歯周病治療の標準的な流れと、喫煙が歯周組織の治癒を阻害し、歯肉の血流を阻害して破壊を加速させるメカニズムについて解説した臨床指針。
    110本以上の喫煙が及ぼすハイリスク性についても言及されています。

  • 「8020運動」の達成状況と今後の歯科保健の課題(8020推進財団)
    8020運動の成果により残存歯数が増加した結果、これまで以上に歯周病管理が必要な「歯」が口腔内に多く残ることとなり、その管理が国民の健康寿命延伸の鍵であるとする論説。

  • Periodontal Disease and Systemic Health(Journal of Periodontology)
    歯周病原細菌が血流を介して全身に波及し、心血管疾患や低体重児出産などの全身疾患に関与することを裏付ける国際的な学術論文。

歯を失うと認知症のリスクが3倍に?
── 久山町研究から紐解く「歯周病管理」の重要性

2026/01/29




皆様、こんにちは。新潟市西区のいとう歯科診療室です。

近年、テレビや雑誌でも「歯の健康と全身疾患の関わり」が注目されるようになりました。
その中でも特に、多くの方が関心を持たれているのが「認知症」との関係です。

今回は、日本における疫学研究の金字塔といわれる「久山町研究」のデータをベースにしたシステマティックレビュー(多くの研究を統合した信頼性の高い分析)をもとに、歯周病専門医として私たちができることについてお話しします。


久山町研究が示した「歯の数」と「認知症」の衝撃的な関係

 

福岡県久山町で長年行われているこの研究では、興味深いデータが示されています。

  • 残っている歯が少ないほど、認知症のリスクが高まる
  • 歯がほとんどなく、入れ歯も使用していない人は、20本以上歯がある人に比べて認知症の発症リスクが最大で約3倍になる

なぜ、口の中の健康が「脳」にまで影響を及ぼすのでしょうか?
脳を守るための2つのキーワード:「噛む刺激」と「慢性炎症」

  1. 「噛む」ことが脳を活性化する しっかりと自分の歯で噛むことで、脳の血流が促進され、記憶を司る「海馬」や、思考を司る「前頭葉」に刺激が送られます。
    歯を失い、噛む刺激が減ることは、脳への刺激を失うことと同義なのです。

  2. 歯周病菌が脳に悪影響を与える 近年の研究では、歯周病の原因菌や、それによって引き起こされる「炎症物質(サイトカイン)」が血液を通じて脳に運ばれ、アルツハイマー型認知症の原因物質とされる「アミロイドβ」の蓄積を促進する可能性が指摘されています。


歯周病専門医だからこそできること

 

「歯を失ってから」ではなく、「歯を失わないための高度な管理」こそが、認知症予防の第一歩です。
歯周病専門医のいる当院では、以下のステップを通じて皆様の「脳の健康」をサポートします。

  • 精密な歯周組織の検査

    レントゲンや歯周ポケット検査を行い、目に見えない部分の炎症を徹底的にチェックします。


  • 専門的な細菌コントロール(バイオフィルムの除去)
    ご自身では落とせない深いポケット内の細菌を徹底的に除去し、全身への炎症の波及を食い止めます。

  • 欠損への適切な対応(インプラント・入れ歯)
    もしすでに歯を失ってしまっている場合でも、インプラントや適合の良い入れ歯によって「噛む力」を取り戻すことは、脳の老化を遅らせる大きな力になります。



「一生、自分の足で歩き、自分の脳で考える」ために


認知症は、発症してから治療するのが難しい病気です。
だからこそ、今ある歯を守る「予防」と、今起きている歯周病を止める「治療」が、将来のあなた自身を助けることになります。

「最近、しっかり噛めていないな」「歯ぐきから血が出るけれど、痛くないから大丈夫かな」 そんなサインを見逃さないでください。

歯周病専門医として、皆様が一生おいしく食事を楽しみ、自分らしく生き生きと過ごせるよう全力でサポートさせていただきます。




【エビデンスのまとめ:科学が証明する歯と脳のつながり】


今回の内容は、日本を代表する医学研究である「久山町(ひさやままち)研究」などの信頼性の高いデータに基づいています。

  • 歯の数と認知症のリスク
    1,000人以上を長期間追跡した調査により、歯がほとんどなく入れ歯も使っていない人は、歯が20本以上ある人に比べて、認知症(特にアルツハイマー型)の発症リスクが大幅に高まることが示されています。
  • 「噛む」ことが脳を守る
    多くの研究をまとめた分析(システマティックレビュー)では、自分の歯でしっかり噛む刺激が、脳の記憶を司る部分(海馬など)の活性化に深く関わっていることが分かっています。
  • 歯周病菌の影響
    近年の医学研究では、歯周病によるお口の中の「炎症」が、血液を通じて脳に悪影響を及ぼす物質を増やす可能性が強く指摘されています。つまり、「歯周病を専門的に管理し、噛む機能を維持すること」は、単にお口の問題だけでなく、将来の脳の健康を守るための、科学的根拠のある有効な手段と言えます。

つまり、「歯周病を専門的に管理し、噛む機能を維持すること」は、単にお口の問題だけでなく、将来の脳の健康を守るための、科学的根拠のある有効な手段と言えます。


いとう歯科診療室
  • Web: https://www.ito-dental-office.jp
  • アクセス: 内野西が丘駅から徒歩5分
  • 診療内容: 歯周病専門治療、精密予防、インプラント、再生療法