Web
予約
TEL
アクセス
 

根管治療は何回で終わる?保険診療と自由診療で回数が違う理由

  • HOME
  • 院長コラム
  • 根管治療は何回で終わる?保険診療と自由診療で回数が違う理由

2026/10/13




「根管治療は、あと何回で終わりますか」

根管治療を受けている患者さんから、よく聞かれる質問です。
痛みが治まった後も治療が続くと、「なぜ何度も通うのだろう」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。

根管治療の回数は、歯の状態だけでなく、初めての治療か再治療か、保険診療か自由診療かによっても変わります。
今回は、新潟市西区のいとう歯科診療室が、根管治療に必要な回数と、治療が長引く理由を解説します。

 

根管治療は何回で終わるのでしょうか

根管治療とは、歯の内部にある細い管から、感染した神経や組織を取り除き、清掃・消毒する治療です。

感染や炎症が軽い初回治療であれば、比較的少ない回数で終えられる場合があります。
一方、次のようなケースでは治療回数が増えることがあります。

  • 根管内の感染が強い
  • 歯の根の先に膿がたまっている
  • 根管が細い(特に高齢者)、曲がっている、枝分かれしている
  • 過去に治療した歯を再治療する
  • 根管からの排膿や出血が続いている
  • 古い薬剤や器具を取り除く必要がある

特に奥歯は根管が複数あり、形も複雑なため、前歯より治療に時間がかかる傾向があります。

とはいえ、歯の状態にもよりますが、当院では概ね2回~4回で治療を終えております。
単純な前歯、小臼歯は1回で終えることもあります。

 


痛みがなくなっても、治療が終わったとは限りません

根管治療を始めると、痛みが早い段階で軽くなることがあります。
しかし、痛みがなくなったことと、根管内の清掃・消毒が完了したことは同じではありません。

細菌や感染した組織が残った状態で治療を中断すると、再び痛みや腫れが生じる可能性があります。
仮のふたのまま長期間放置すれば、すき間から細菌が入り、歯を残すことが難しくなる場合もあります。

根管治療を始めたら、被せ物が入るまで治療を継続することが大切です。



保険診療と自由診療では、なぜ回数が違うのでしょうか

保険診療は、患者さんの費用負担を抑えられることが大きな利点です。
一方、診療報酬や予約体制などの関係から、1回に確保できる診療時間が限られ、清掃、消毒、状態の確認などを複数回に分けることがあります。

自由診療では、1回の診療に比較的長い時間を確保しやすくなります。
複数の工程を1回にまとめられるため、結果として通院回数が少なくなる場合があります。

ただし、保険診療だから必ず回数が多い、自由診療だから必ず1回で終わるということではありません。
感染の程度や根管の形によっては、自由診療でも複数回の治療が必要な場合もあります。

通院回数の少なさだけで、治療の良し悪しを判断することはできませんが、可及的に無菌状態で治療を行った方が良いため、なるべく少ない回数で治療は終えた方がよいと考えられています。

稀に根管治療で延々と半年~年単位で治療が行われている場合もあるようですが、治療のエンドポイントが明確ではないため、いたずらに回数が増えているのではないでしょうか。


当院の自由診療による根管治療

当院の自由診療では、次のような診療環境を整えています。

  • マイクロスコープによる拡大視野での治療
  • 歯科用CTによる根管や病巣の確認
  • ラバーダムによる唾液や細菌の侵入防止
  • ニッケルチタンファイルなどを用いた根管形成
  • 症例に応じた薬剤や充填材料の選択・1回あたりの長い診療時間

設備や器具は、導入するだけで治療の質が決まるものではありません。
それぞれの特徴を理解し、歯の状態に応じて適切に使用する知識と技術が必要です。

当院院長の伊藤は、福岡市の「まつうら歯科医院・歯内療法専門室」において、米国歯内療法専門医の松浦顯先生から根管治療に関する研修を受け、現在も継続して知識と技術の研鑽に取り組んでいます。



根管治療が終わっても、歯の治療は続きます

根管の清掃・消毒と薬剤の充填が終わっても、歯の治療がすべて完了したわけではありません。

根管治療後の歯は割れやすくなっていることがあるため、土台を立て、被せ物を装着して保護する工程が必要です。

「根管治療はあと何回か」だけでなく、「被せ物が入るまで何回かかるか」も確認すると、治療全体の見通しが分かりやすくなります。



歯周病と歯の根の病気を分けて診断します

歯のぐらつきや噛んだときの痛みは、歯周病によって起こる場合もあれば、歯の根の先の炎症が原因の場合もあります。両方の病気が同時に存在することもあります。

いとう歯科診療室では、歯周病専門医として歯ぐきや歯を支える骨の状態を確認するとともに、歯の内部や根の先も診査し、歯を残すための治療方法を検討します。

 


まとめ

根管治療の回数は、感染の程度、根管の形、初回治療か再治療か、1回に確保できる診療時間などによって異なります。

大切なのは、可及的に少ない回数で、必要な清掃と消毒を行い、再感染を防ぎながら歯を残すことです。

新潟市西区で、根管治療が長引いている、過去に治療した歯が再び痛む、歯を残せるか相談したいという方は、いとう歯科診療室へご相談ください。



この記事の根拠となるエビデンス

日本歯内療法学会の『歯内療法診療ガイドライン』では、初回根管治療を1回で行う方法と複数回に分ける方法を比較していますが、治癒率に明確な差は認められていません。

2022年のコクラン・レビューでも、1回法と複数回法の間で、レントゲン上の治癒などに明確な差を示す十分な証拠はないとされています。

また、米国歯内療法学会は、根管治療中の感染管理と患者さんの安全確保のため、ラバーダムによる治療対象歯の隔離を標準的な方法として位置づけています。


>>世界基準の根管治療を目指して